無題

JUGEMテーマ:読書

 

          四百七

 知識が通俗化されている自信過剰な時代には、書物の出版というきわめて強力な浅学の手段のおかげで、人間の倫理的意志と行動についての問題が、問題そのものがもともと存在し得ないような地盤に移されてしまっている。いわゆる進歩的な人びとの大多数が、つまり無学者たちの群れが、問題の一面しか扱わない自然科学者たちの仕事を問題全体のすぐれた解決手段と思いこんでいるのである。