形而下的な苦痛

         

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          三百八十九

 

 親しい人間や知り合いを初めて家に迎えたとき、ふと黙りこんでしまうことがよくある。客に対して何か皮膚感覚的な気恥ずかしさを覚えるのだが、それは物的人的なものを取り混ぜた住いのたたずまいといった形而上的なものに対してではなく、たぶん、普段人目に曝さずにしまわれている内臓の機能を垣間見られる形而下的な苦痛が素になっている。