三百九十

 

 愛されただけがこの世に残る。

 

医者

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                        三百八十二

 

 医者は、生きている人間を悩ます一つの病気も知りえない。生きている人間は一人ひとりがその独自の特質を持っており、常に自分独自の、きわめて複雑な、新種の、解明不能な、医学ではわからない病気、つまり、医学書に書いてあるような病気ではなく、その人独自の体質の変調が無数に結合したことから引き起こされる病を得るものだ。この簡単な考えが医者たちの頭に浮かび得ないのは、彼らの一生の仕事が、病人を治療することに対して金銭を受け取るからであり、この仕事に就くために人生の花の時代を犠牲にしたからである。

 
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